2013年7月3日水曜日



パースニップにサルシファイ、フィザリスにオードリック、マルトー蕪、西洋タンポポ・・・・。
これらはすべて西洋野菜の名前。実際に目にしたり食べてみたことがありますか?

西洋野菜やハーブを中心に自然農で生産・販売している、姫路の「シャンデエルブ」の田中秀樹さん。

京阪神のホテルやレストランにも宅配されていて、とても力強い生命力のある作物をいただけます。
(この日も銀座から遠路はるばるフレンチレストランのシェフが数人視察に来られていました)

珍しい野菜を見て学べる、ということよりも大事なこと。それは、田中さんが10年以上、ビジネスをしながらも自家採種を行われているということ。それも大量に。まさに、わたしにとっての「タネとり師匠」。


この日も、大量のタネとりを行うということで、助っ人に呼ばれて畑へ向かいました。

午前中の作業(西洋ゴボウのタネとり)には間に合わず、午後からの参加。

午後からは、フランスの「オードリック」という品種のカブのタネとりです。
 追熟させた大量のカブを、稲木のようにのせて干しています。圧巻でした


さやを手でこすり合わせて中のタネが取り出しやすいようにして、ふるいにかけます

風の力を借りながら手の力加減を頼りに落下させる、田中さん流タネ分別法。

それでも、まだまだ石やホコリ、さやが混ざっている。
このあと、さらにピンセットなどを使って混ざっているものを取り除く作業が続くのです。
「本当に毎回、気の遠くなるような内職仕事が続く。」と田中さん。

実際に体験してみると、生業として生産も販売もされている農家さん(特に専業農家の方々)が「タネはタネ屋に」と自家採種を敬遠される気持ちもわからなくもないなあ、と納得してしまう自分がそこにいました。
「自分の畑の作物からタネを採るのは、昔の農家さんにとっては当たり前だった」とか、いつものように自家採種の重要性を唱えて反論する気も起こらなかった。

でも、それほど最後の、このちまちました仕上げ作業(調整)は、発芽率を維持するためにも大事な作業なのであって。

最近、私の周囲にも自家採種したタネを販売しようと考えている個人農家さんも増えてきていますが、こうしてみると販売用の種子管理は交雑や発芽率へのことを考えると、本当に大変だと痛感した今回の研修でした。






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